氷の回廊―ヒマラヤの星降る村の物語



氷の回廊―ヒマラヤの星降る村の物語
氷の回廊―ヒマラヤの星降る村の物語

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「氷の回廊」と人生

 「氷の回廊」とは、インダス川の支流であるザンスカール川が冬季に凍り、それが唯一の道となることを指します。舞台となるリンシェ村にとっては市の立つ他の村へ行く唯一の交通手段です。更に、この「氷の回廊」を旅するということは、まったく余所の世界を知らない少年にとっては、大人になる為の試練であり、同時に親から子への文化の継承でもあり、また家族への生活物資を命懸けで届ける過酷な道でもあります。何故、そこまでしてこの地に住むのか?その答えが、掲載されている写真の一枚一枚から伝わってきます。どうしても、手元に置いておきたい本の一冊です。
素朴

近代化した世界とは別の、素朴で純粋だけど
厳しい自然の中で生活している人々とその世界を
感じ、心洗われます。
人っていいな旅っていいな

 私はこの写真家をある機内誌の特集で知った。荒涼としたヒマラヤ山脈に冬の一時期にしか現れない、氷の回廊(チャダル)を着古した服を重ね着してあるときは川に流されそうになりながら、ある時は氷が融解してしまい靴を脱いで裸足でこごえながら、何日もかけて歩いている姿に心を打たれ、早速著者の本を探した。

 機内誌の写真も素晴らしかったが、それ以上に素晴らしいたくさんの写真があり嬉しくなった。悲しいまでも素朴で一生懸命に生きている、ヒマラヤの人々。死も覚悟して氷の回廊を往復するのは子供の為の長靴であったり、奥さんへの新しい洋服であったり、家族への愛だけなのだ。

 人間と写真家の旅にとても感動を覚えた。この本に出会えたことに感謝している。



文英堂
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